Magic hour

空に手を翳して

NOT FOUNDが私にくれた鍵

 

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※この記事は、2020/11/08 15:05 にnoteに投稿した記事をそのまま移したものです。

 
 

 

 

こんな世の中、という表現をマイナスの意味でしてしまうことがある。

 

ここで私が言う"こんな"には、淀んだコミュニティを目の当たりにして感じる遣る瀬なさや自分の無力感への情けなさ、焦燥感と余裕のなさが漂う世間へのなんとも言えない気味悪さの類であったり消化試合のような日々を積み重ねがちな自分への嫌気、さらには誰かの意見に怯えざるを得ない社会の雰囲気へのもどかしさなど、さまざまな気持ちが詰まっている。どうせ自分も社会もそう簡単に変わりゃしない。そういう半ばさとりのような考えが常時私の脳内に蔓延ろうと様子を窺っていて、私はそれに度々屈してしまう。

 

11/4に発売されたSexy Zoneの19th Single 「NOT FOUND」を聴いた時、この曲には"こんな世の中"を切り裂いて抱きしめるような力があるのではないか、と思った。…切り裂いて抱きしめる。一見矛盾しているように感じるかもしれない。しかし願わくは私の希望を込めた感想を読んでいってほしい。

 

 

外野なんて言わせちゃいな そんなに何が気になんの?

君の感情全て出し切って 飛び込め

 

don't stop 捻じ込んで本能 

切望が絶望をぶん回して 叫んで泣いて生きて

どうにか僕らが生まれた存在証明を

胸にずんと来る詞ばかりなのでどの詞もしっかりと感じてほしいのだが、私はこの詞を歌う彼らの声を聴いた時、淀んだ社会や無力感を覚える人を、汲々とした世間や変わり映えのない毎日を、さらには誰かの意見を聞きすぎる今を、切り裂いて、前向きな明日への勇気をくれているように感じた。自分たちがやってみる、だから君もやってみないか、きっと良くできる変えてみなよと、訴えかけられている気がする。

 

 

 

痛み抱いて取り零さないで 

傷もなんもない心なんて

Oh…魅力なんてないでしょう?

ここがそうだよ叶えろbreak down 

始まりの場所になんだ

Oh…挑んで 何度も 描いて 何度も

また、これらの部分は、遣る瀬なさも情けなさももやもやした気持ちもすべて知って包み込んだうえで、前に進もうとする人に対してその気持ちをポジティブにぶつけてみろ大丈夫だと、ぐっと推進力をくれているように感じないだろうか。

 

サビの"物足りない""満たされない"の部分からも伝わってくるように、我々はもっと欲張っても良いのである。現状へのもやもやに蓋をしてしまうのはもったいない。二兎でも三兎でも、追いたいものがわずかでもあるならがむしゃらに追えば良い。よくさとり世代などと言われがちな年に生まれているが、別に悟って生きていかなくてもいいのだ。

 

NOT FOUNDを聴くと、感情をしっかりと表し、考えることをやめない、そういう温度を持った人間でいたいと改めて思わされる。人はただ誰かの言う通りに動く駒でもなければ、意思を持たない都合の良い人形でもない。

 

人生に、自分に、意味を見出していくのは自分自身であり、他の誰かにできることではない。この時代を選んだのは我々であり、この時代を今動かせるのもまた我々だけなのである。

 

 

この世の中が思うほど停滞していないことを、Sexy Zoneはいつも私に気付かせてくれる。"こんな"なんて、達観したような気になってあーだこーだ言っている暇なんて人生にはないのだ。"こんな"と感じるのなら変えるための一歩を踏み出せばいい。少しずつ。何度でも挑め。何度でも描け。一握りの可能性を、逃がすわけにはいかないから。

 

 

 

もうすぐ、夜が明ける。

 

 

 

 

 

2020/11/08 わたぐも